「Radeon HD 7970 GHz Edition」は、「Radeon HD 7970」をベースにパフォーマンスを引き上げた、AMDのシングルGPUの新しい最上位モデルにあたる。「Radeon HD 7970」というと、発表された当時こそシングルGPU最強を名乗っていたものの、ライバルのNVIDIAが満を持して投入した「GeForce GTX 680」にパフォーマンスであっけなく抜き去られてしまい、シングルGPU最強の座を明け渡してしまった経緯がある。今回投入される「Radeon HD 7970 GHz Edition」は、シングルGPU最強の座に返り咲くために、現行の最強シングルGPUである「GeForce GTX 680」に向けて送られた新たな刺客というわけだ。
型番の「Radeon HD 7970」が示すとおり、ストリームプロセッサーやテクスチャーユニット、レンダーバックエンド(ROP)の構成は従来の「Radeon HD 7970」からまったく変わっていない。ただし、コアクロックは“GHz Edition”という名称が新たに付け加えられたことでもわかるとおり、従来の925MHzから大台の1GHzにまで一気に引き上げられている。また、メモリークロックも強化されており、動作クロックは従来の1375MHz(データレート5.5GBps相当)から1500MHz(データレート6.0GBps相当)へと引き上げられ、メモリーバンド幅も、従来の264GB/sから288GB/sへと向上している。
さらに、「Radeon HD 7970 GHz Edition」では、パフォーマンスアップのためにクロックアップしただけでなく、「AMD PowerTune Technology With Boost」と呼ばれる新機能まで実装してきた。「AMD PowerTune Technology With Boost」では、動作状況に応じてGPUコアクロックや電圧を動的に引き上げることで、パフォーマンスをさらに向上させ るというもの。このアプローチは、ライバルの「GeForce GTX 680」で実装された「GPU Boost」とそっくりだ。この点からも、「GeForce GTX 680」を強く意識していることが読み取れる。